Interview 01 クラウド事業のキーマンが語る
SCCloud開発秘話

武井直孝

技術本部 クラウドソリューション部 上席部長

労働人口の減少や働き方改革の推進によって、
いつでもどこでも使えるIT設備の必要性が高まっている。
そこでいま注目を集めているのが、多彩なサービスラインナップを有し、
多様な運用環境にも柔軟に対応可能なクラウドソリューション「SCCloud」だ。
その開発の背景から、実際のビジネス環境における活用について、
クラウド事業を牽引してきたキーマンが語る。

SCCloud開発の背景とは

―― なぜ、独自のクラウドサービスを開発しようとお考えになったのですか。

武井:2010年ごろから、「サーバの運用管理をもう自社内ではしたくない」というお客様の要望が目に見えて増えてきました。ほぼ同時期に、「サイボウズを使ったクラウドサービスをやってもらえないか」という同社からのオファーもあったので、これは好機と「SCCloud」の開発に着手することになりました。

―― SCCloud開発時に、特にこだわった点はありますか。

武井:新たなサービスや商品の開発時には、製造原価を積み上げて販売価格を決めていくのが一般的です。しかし、SCCloudの開発に際しては、弊社がオンプレミス(自社運用型)で提供している各種のサービスやライセンスをクラウド化した時に、お客様に受け入れていただける価格をまず算出し、原価の調整を行うという方法を採ることで、お客様のニーズにマッチした商品のスピーディーな開発を目指しました。

―― 革新的なサービスだけに、ご苦労も多かったのでは。

武井:弊社のグループ会社には、インターネット通販事業で国内トップシェアを誇る株式会社ecbeingがあります。そのため弊社には、インターネットを使ったホスティングについて豊富な経験とノウハウを有する技術者が多数在籍していたので、SCCloudの開発をスピーディーに進めることができました。

SCCloudに競合サービスはない!

―― リリースは2012年でしたね。

武井:リリース時には、弊社が得意としていたサイボウズのグループウェア製品とMOTEXの「LanScope Cat」からスタートしました。その後は、「グループウェアとワークフローを組み合わせて使いたい」というお客様からの声に応えて、書類や申請書を電子化できる「X-point」を導入するなど、連携性を重視したサービスの拡充を図っています。

―― 競合製品との差別化についてお話しいただけますか。

武井:同じ領域でSCCloudと競合しているサービスはありません。強いて言うならば、オンプレミスで同ジャンルのアプリを提供しているところでしょうか。

―― パブリッククラウドとは競合していないのですか。

武井:例えばサイボウズのグループウェアをパブリッククラウドを用いて構築する場合には、お客様ご自身が利用頻度に合わせて、サーバ構成から設計する必要があり、設計責任も負わねばなりません。その点SCCloudでは、サイボウズ製品にサーバ環境を最適化してあり、実際の運用を想定した検証も済んでいます。お客様には必要に応じて弊社の提供するメニューから選んでいただくだけで、速やかに利用開始することができます。また、パブリッククラウドの場合には他ユーザーからの影響も受けるため、ディスクIOなどのパフォーマンス面で狙い通りの性能が出ない可能性もありますが、SCCloudでは、そのようなことがないように設計されているので安心です。

多様な運用環境にも柔軟に対応

―― SCCloudならではの強みとはなんでしょう。

武井:お客様の運用環境やご要望に合わせ、SaaS/PaaS/IaaSなどを「選べる」クラウドであること。サーバ環境だけではなく、アプリケーションの保守サポートまでワンストップで提供できる「託せる」クラウドであること。お客様の社内ネットワークや他社クラウドなどとのシステム連携にも柔軟に対応できる、「繋がる」クラウドであることの3つです。

―― 実際の商談ではどんな要望が多いのですか。

武井:「社内に減価償却の済んでいないサーバがあるので、当面はクラウドと組み合わせて使いたい」、「はじめはサイボウズだけを導入し、その後利用するアプリケーションを順次増やしていきたい」というように、将来に向けた投資計画に基づき、段階的に利用するサービスを拡充していきたいというお客様が増えています。SCCloudなら、それらの要望にも柔軟に対応することができます。

―― 最後に今後の開発計画について教えていただけますか。

武井:SCCloudとパブリッククラウドを融合させることで、それぞれの良さをいかしたハイブリッドなサービスの提供を目指しています。現時点では、Microsoft Azureの活用を一部始めていますが、今後はAmazon AWSとの融合も図っていきたいと思います。

Interview

  • Interview 01

    クラウド事業のキーマンが
    語るSCCloud開発秘話

  • Interview 02

    絶妙なチームワークで
    お客様の疑問や不安を解消し、
    最良のソリューションを提供する